腕時計の磨き方は?効果的なメンテナンスが長持ちのコツ
毎日身につけるお気に入りの腕時計も、時間が経てば劣化してしまいます。金属部分のくすみや、文字盤の曇りなどに気付いたらメンテナンスのタイミングです。
メンテナンスというと専門業者への依頼を考えるかもしれませんが、多くの腕時計はセルフメンテナンスでも充分きれいになります。
「気付いたときにいつでもきれいにできる」、これがセルフメンテナンスのメリットですね。
本記事では、腕時計のメンテナンス方法や磨き方で注意したいポイントなど、愛用の腕時計を長持ちさせるために役立つ情報をご紹介します。
メンテナンスは重要!愛用の腕時計を長持ちさせる効果大
いつも身につけている腕時計は案外汚れが溜まりやすいため、放置しておくと魅力が半減してしまいかねません。
- 汗や皮脂の汚れ
- ほこり
- 部品同士の摩擦による金属粉
- (革製の)ベルトの劣化や汚れのしみこみ
腕時計にはこのような汚れがよく見られます。メンテナンスせず放置していると、サビや悪臭の原因になり、腕時計の傷みが進んでしまいます。
見た目に悪影響が出るばかりではなく、衛生上・健康上に問題が生じる場合があります。ワイシャツの袖口を汚してしまったり、かぶれの原因になってしまったりすることも考えられるのです。
大切な腕時計とできるだけ長く一緒に過ごしたいのなら、セルフメンテナンスが重要です。正しい磨き方を身につけて日々お手入れをすれば充分効果を得られます。この記事を参考に挑戦してみてくださいね。
自分でできる!効果的な腕時計の磨き方
ここからは、自分でできるお手入れ方法をご紹介します。ベルトの種類ごと、ケース・ガラス部分、そのほか日々お手入れをしたい部分などパーツごとにチェックしてみてください。
ベルトの磨き方
ここでは「ステンレス」「シリコン・ウレタン」「レザー」それぞれのベルトについて見てみましょう。素材ごとの磨き方やお手入れ方法をご紹介します。お手持ちの腕時計に合うものを選んでください。
1:ステンレス
ステンレス製ベルトは、汚れを放置しておくとサビが発生してしまう可能性があります。汗をかいたときにサビがにじみ出し、服の袖を汚したり、肌をかぶれさせてしまう原因になったりします。
サビが発生しないよう、小まめなメンテナンスを心がけましょう。
【ステンレス製ベルトのメンテナンス方法】
- 汗や皮脂の汚れをやわらかい布で磨き取る
- 中性洗剤を使ってベルトを洗う
- 洗ったあとはしっかり乾燥させる
- 使わないときは通気性の良い場所で保管する
ステンレスはもともとサビにくい性質ですが、汗や皮脂汚れの成分によってサビが出てしまいます。汗をたくさんかいた日には、帰宅後すぐにメンテナンスしましょう。
市販の超音波洗浄機を使って、ベルト部分のみを洗浄するのもおすすめです。その際は腕時計の防水性や劣化具合をチェックし、内部への浸水が起きないようにしてください。
2:シリコンやウレタン
シリコンやウレタン製のベルトは、水に強い性質を持っています。素材の性質上、磨くというよりは拭き取るようにお手入れしましょう。
シリコンやウレタンは長時間濡れたままにすると布や物からの色移りが発生しやすい素材です。一度色移りしてしまうとは解決が難しいため、拭き取りに使用する布や洗剤には注意が必要です。
【シリコン・ウレタン製ベルトのメンテナンス方法】
- 汗や水で濡れたらすぐに拭き取る
- 汚れが目立つ場合には薄めた中性洗剤を使って水洗いする
- 拭き取りや水洗いのあとはしっかり乾燥させる
- 長時間直射日光が当たらない場所で保管する
「弾力性の低下」「ひび割れ」などの劣化のサインを見つけたら、ベルトの交換を視野に入れたほうが良いでしょう。
3:レザー
レザーは自然素材という性質から、ステンレスやシリコン・ウレタンと比較すると経年劣化しやすい欠点があります。しかし日々のメンテナンスを怠らなければ、長く使い続けられる素材でもあります。
【レザー製ベルトのメンテナンス方法】
- 汗汚れや水濡れがあれば乾いた布で拭き取る
- 拭き取るときには決してこすらず、水分を吸い取るようにする
- レザーベルト用の消臭スプレーで臭いを取る
- 使わないときには風通しの良い場所で保管する
アルコール成分を含んだものによって色落ちや変色などが起こりやすくなりますので、手指消毒やメイクの際は十分注意しておきましょう。
ケース・ガラス部分の磨き方
ケースやガラス部分は腕時計の顔とも言えるパーツです。ガラス部分は風防とも呼ばれます。
【ケース・ガラス部分のメンテナンス方法】
- 濡れた布は使用せず、必ず乾いた布で汚れを拭き取る
- ケースの表・裏・サイドを綿棒で掃除する
- 汚れが溜まるラグの裏もしっかりと掃除する
メンテナンスの際、汚れを落とすために濡れた布を使いたくなりますが、腕時計のメンテナンスには乾いた布が適しています。濡れた布を使った場合、ケースやガラスの隙間から水分が内部に入ってしまう可能性があるためです。
故障の原因になりますので、お手入れの際は必ず乾いた布を使ってください。
細かい部分の汚れを取る際は、爪楊枝ではなく綿棒などの先端が柔らかいものを使用してください。先端の尖った爪楊枝などで汚れをかき出そうとすると、逆に汚れを内部に押しこんでしまい、故障してしまう可能性があります。
日々のお手入れ
日々のお手入れとして、小まめにメンテナンスすべきなのはベゼルやリューズです。時間があるときには簡単に掃除をし、汚れを溜めないようにしましょう。
ベゼルはガラス周りのリング状のパーツ、リューズは文字盤の側面にあるネジを指します。時間やその他機能の調整に必要なパーツです。ベルトやケース・ガラスよりも拭き取りにくい形状をしているため、ブラッシングを意識したお手入れが適しています。
【ベゼルやリューズのメンテナンス方法】
- 乾いた布や綿棒を用意する
- ベゼルの形にそってブラッシングする
- 裏蓋や刻印部分の汚れもしっかり落とす
- リューズは根元部分の溝に溜まった汚れを意識してブラッシングする
リューズの溝はとくに汚れが溜まりやすい部分です。溝を1本1本丁寧に布や綿棒でなぞり、汚れを落としましょう。
ケースやガラスと同じく、細かい部分の汚れを落とすために爪楊枝を使用するのはNGです。
また、お手入れ中にベゼルを回すのも避けましょう。腕時計を構成している内部のバネが劣化し、腕時計そのものの寿命に悪影響が出る可能性があります。
ここに注意!腕時計を磨くときの留意点
腕時計のメンテナンスといえば、磨き上げ。細かい傷を磨いて綺麗にしたい人も多いのではないでしょうか。
実は腕時計を磨きすぎると、さまざまなパーツに悪影響が出てしまい、逆効果になることがあります。
腕時計の磨きすぎはNG!
磨けば磨くほど腕時計は美しく輝きます。研磨によって傷が消え、新品のような輝きを取り戻せることも珍しくありません。セルフメンテナンスでも根気よく磨き続け、輝きを取り戻そうとしている人もいらっしゃるでしょう。
しかし、同時に「磨けば磨くほど腕時計の厚みが減っていく」という事実を忘れてはいけません。研磨で金属を削るため、磨く回数が増える分、金属が薄くなっていくと考えましょう。
腕時計を磨きすぎて、薄くなってしまうと以下のようなデメリットが発生しやすくなります。
1:防水機能・効果の低下
腕時計の磨きすぎは防水機能や防水効果の低下を招きます。研磨で薄くなった部分から水が入りこみ、故障を引き起こしてしまうのです。
2:ルックスに影響が出る
研磨を繰り返すことにより、パーツが大幅に削れ、全体的なルックスの印象が変わってしまうケースもあります。
3:資産価値が下がる
とくに高級腕時計に多いのですが、購入時の状態と厚みが変わってしまうと資産価値が下がると言われます。腕時計を資産の一種として考える人にとっては無視できない問題でしょう。
腕時計を磨きすぎると、こういった思わぬ悪影響が出てしまいかねません。磨く回数としては最大で5〜6回と言われています。「フォルムを保てるのは3~4回ほどまで」という見方もあるため、磨きすぎには注意が必要なことが分かります。
限られた回数で綺麗に磨き上げなければならないため、プロの業者に依頼することをおすすめします。自分で磨く楽しみは譲ることになりますが、その分、納得のいく仕上がりが期待できます。とくに細かい部分を自分で磨き上げることは難しいため、プロならではの技術に期待するのも楽しみのひとつになるのではないでしょうか。
内部のお手入れはプロに任せるべき!
腕時計の重要なメンテナンス部分として、腕時計の内部パーツが気になる人もいるでしょう。腕時計の内部のお手入れは分解掃除(オーバーホール)が必要です。
腕時計の内部にはさまざまなパーツがあります。パーツごとの寿命や、それぞれを動かす潤滑油の状態などをチェックし、必要であれば改善作業をおこなうのがオーバーホールです。
オーバーホールは難易度が高いため、セルフメンテナンスの一環としておこなうのはおすすめできません。3~5年に一度、プロに依頼することを強くおすすめします。
オーバーホールをプロに依頼すると内部だけでなく、腕時計全体の様子をプロの目でチェックしてもらえます。
お気に入りの腕時計と長く付き合うためにも、定期的なオーバーホールを検討しましょう。
腕時計は保管方法や保管場所も長持ちの秘訣!
お気に入りの腕時計を長持ちさせたいのなら、メンテナンスだけではなく、保管場所・方法についてもよく考える必要があります。
とくに保管場所の環境は重要です。腕時計はデリケートで、適さない環境では不調や故障を引き起こしかねません。保管する際は、以下の点を意識した場所を用意するのが理想的です。
- 落下しにくく安定した場所
- 湿気、日光から腕時計を守りやすい場所
- 腕時計専用の収納ボックスがあると良い
落下は故障や傷の大きな原因になるため、落下しにくい安定した場所での保管がおすすめです。
湿気や日光から守ることも重要です。いずれも腕時計本体やベルト部分に不調を起こす原因になります。
腕時計専用の収納ボックスに入れて、安定する場所に保管しておけば不調や劣化を防ぐことができます。
腕時計の保管については以下の記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
まとめ
腕時計はメンテナンス次第で長持ちさせられます。保管場所に気を遣えば良い状態で長く使えるでしょう。
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